補聴器を使用してみた感想
- 2020年7月19日
- 耳の病気
先日当院で補聴器外来に協力いただいている会社から補聴器をお借りして実際に数日間装着してみました。
モードは、通常モードとノイズキャンセル強モードを選べるタイプの通常より少々ランクが上のモデルということです。
まず、通常モードで装着。確かに人の話し声がよく聞こえますが、それより目立つのが『サー』という’テレビの砂あらし’とかよく例えられるホワイトノイズです。あ、耳鳴りってこんな感じなのかなと感じます。その耳鳴り(ホワイトノイズ)の中に声が大きくなって聞こえてくるというのが率直な感想でした。このホワイトノイズは2時間ぐらいすると慣れてきます、そして仕事などに集中していると気にならないですが、ふとすると『サー』と鳴ってます。まさに耳鳴り!ちょっと違和感が強いなという印象でした。
一方、ノイズキャンセル強モードにすると、このホワイトノイズが無くなりすごく快適!ちょっとびっくりしました。ボタンひとつでこんなに違うのか・・。声もクリアによく聞こえます。これならば長く使用できそうだと思った矢先、PCのキーボードを叩く音、マウスをクリックする音、扉を叩く音などが非常に大きく聞こえます。この音はいつもより相当大きく聞こえる印象で正直不快でした。水道の音や器具を洗う音なども大きく聞こえますが、この辺りはクリック音に比較すればそこまで不快では無い印象でした。そのまま自宅まで車を運転して帰宅、ラジオの声はすごく鮮明に聞こえ、雑音はあまり気になりません。そして、方向指示器のクリック音はやはり不快でない程度に目立ちます。
以上から、自分が使うならノイズキャンセルモードです。しかしながら、高齢者もPCを使用する様になった昨今、ノイズキャンセルモードで目立つクリック音については調整が必要かと思いました。PC作業モードを作ってもらいたいなぁと。
今回補聴器を使用してみて、耳鳴りの擬似体験、補聴器使用下での不便な点を知ることができました。比較的軽度(40から50dB)の難聴とそれ以上の難聴ではやはり使用目的がだいぶ違う。比較的軽度な方は、年齢的にも活動性も高くそんな中で生活の質を高めるために補聴器を使用するため、補聴機能の他にある程度進んだ機能をつけて不快感を無くすることも重要かと感じました。
当院スタッフにも装着してもらい、同様の経験をしてもらいました。より補聴器外来に受診される方々に寄り添える様、さらに試験装着してみたいと思います。
最後に最近梅雨に入り寒暖の差があるためか、風邪症状の方が多くなってきた印象です。正直、ひどい発熱、呼吸困難となったらわかりやすいかと思いますが、軽症ではコロナウィルスとの見分けはまず不可能という印象です。当院では幸いPCRセンターにご紹介した方に陽性は出ていませんが、とにかく気をつけてしっかり予防行動といったところかと思います。