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耳の病気

耳の病気|みのり耳鼻咽喉科・佐倉市ユーカリが丘の耳鼻咽喉科

補聴器外来を行っております。詳しくはこちらからご覧ください。

耳の病気

耳の病気

毎年、風邪の時期になると、とても多い耳の病気として急性中耳炎があります。
特にお子様に多い耳の病気ですが、鼻風邪として治療を行っていてもなかなか治らず、実は中耳炎になっていたということも多くあります。
さらに最近では通年性のアレルギー性疾患(通年性のアレルギー性鼻炎等)が増え、鼻炎が原因で耳の病気を併発することもあります。
しっかりと治療しないと慢性中耳炎や滲出性中耳炎を起こし、場合によっては難聴の原因になることもあるので注意が必要です。安易に自己判断せずに、早めに相談し、きちんと治療を続けることが大切です。
また、耳あかについてもお気軽に受診ください♪

耳の疾患

外耳炎

耳の入り口から鼓膜までの間に炎症を起こした状態です。耳の痒みが続いて綿棒などで耳をいじっていて細菌が入ってしまうことが多くみられます。
痒みや痛み、耳だれなどが主な症状です。耳の中を清掃し、軟膏や点耳薬で治ることが多いですが、症状が強い場合は抗生剤や痛み止めの内服を併用します。

外耳掻痒症(外耳湿疹)

よく耳掃除をすることで痒みが続き、尚更耳かきしてしまうというのが典型的な症状です。あまり、頻繁に耳の中をいじると小さな傷から細菌が入って外耳炎の原因となります。痒みが強い時は受診をして、軟膏(時に痒み止めの内服)で治療することで痒みを抑え、耳かきの頻度を減らすことで多くは改善します。

外耳道真菌症

外耳湿疹などで耳の中がじくじくしていると、時にカビが感染を起こすことがあります。耳だれの培養検査で診断をします。カビは通常の細菌と異なり、抗生物質や通常の軟膏などでは治りません。短期間に何度か処置のため通院が必要となることが多いです。

耳介軟骨膜炎

外耳炎や外耳湿疹が悪化したり、ピアスの穴から感染を起こしたりしたため耳が真っ赤に腫れ上がった状態です。耳のほとんどは軟骨で出来ているため感染を起こすとすぐに軟骨に感染が及びます。ここまで感染が進むと内服薬場合によっては抗生物質の入った点滴にての治療となります。

耳介血腫

レスリングや柔道、ラグビーなど耳を擦ったり、ぶつけたりした時に耳の上側の皮膚の下(皮下)に血が溜まった状態です。日が経つと血が固まり耳が変形してしまうことがあるため、針などで溜まった血を抜きますがまた血が溜まってしまうことが多く、血を抜いた後に圧迫が必要となることが多いです。

外耳道異物

小児が遊んでいて、ビーズやBB弾を入れてしまうことがあります。大人の場合、寝ている間に虫が入った、耳掃除をして綿棒の先などが残ってしまったなどがあります。自分で取ろうとすると、鼓膜や耳の穴を傷つけてしまう場合があります。受診をしていただき専用の器具などで取り除きます。

耳垢

いわゆる『みみあか』です。急に聞こえが悪くなった、耳詰まり感があるなどの症状が多いです。小児の場合、耳の穴が狭いため為取りにくいことがあります。取りにくい場合には無理に取らずご遠慮なく受診してください。細かい器具にて取り除くほか、耳垢を溶かす薬など専門的な方法があります。

先天性耳瘻孔

耳の穴の少し前、上側に小さな穴があることがあります。この穴は皮膚の下に1~2cm程度続いていることが多く、中に垢の様なものが溜まりそこに感染を起こすことがあります。抗生剤の内服で改善しないことも多く、切って膿を出さなければならないこともしばしばです。繰り返すことも多く、頻繁に繰り返す場合には手術治療のためご紹介が必要となるケースもあります。

急性中耳炎

耳の痛み、発熱等がみられることが多いです。すべての年代で起こりますが幼少期の代表的な病気です。まだ痛みをはっきりと伝えられない幼稚園以前のお子様などでは、急な発熱、不機嫌、耳に手をやるなどのサインを出していることが多いです。主に鼻風邪(急性鼻炎)から耳管という管を通じて鼻から耳へ感染を起こします。基本的に内服と鼻炎の治療で改善しますが、繰り返すことで滲出性中耳炎に移行する場合があります。

滲出性中耳炎

ティンパノ写真

急性中耳炎同様幼少期の代表的な病気の一つです。鼻水がなかなか治らないや急性中耳炎の症状が治ったのちに、鼓膜の中、中耳という場所に水が貯まった状態です。多少耳が詰まっているかなといった程度の症状です。しかしながらこの状態が長期化すると、中耳の発育が悪くなり、難聴が出現したり、将来慢性中耳炎や中耳真珠種の原因となります。
3ヶ月以上をひとつの目安として長期となった場合には、時に鼻の奥の扁桃腺(アデノイド)が大きく原因となっていることがある為、鼓膜の張り具合の検査(ティンパノグラム)や聴力検査に加えて、レントゲンや細い内視鏡でアデノイドの状態チェックを行います。
治療としては処置や内服でなかなか改善しない場合には鼓膜切開を行ったり、鼓膜にチューブを挿入する処置を行います。まずは、鼻風邪をひかない、またはひいた時はすぐに治療をすることでケアするのが重要です。 症状には乏しいですが、将来の合併症を予防する為にもしっかりと治療を行うことが大事です。
大人に見られることは珍しいですが、時に上咽頭(鼻の奥)に腫瘍が認められることがあります。耳や鼻の処置のみでなく、内視鏡検査で上咽頭をチェックしておくことが重要です。

慢性中耳炎

幼少期に中耳炎治療が充分に行われなかったことにより鼓膜に穴が開いた状態です。中耳に感染を起こしやすく、耳だれを繰り返しやすい疾患です。病歴の長いものはさらに音を伝える役割をする耳小骨の作用が低下していたりして難聴の出現も認められます。
鼓膜の穴が小さければ処置で、大きい場合には手術にて鼓膜の閉鎖を行い、感染を繰り返さない様にします。

航空性中耳炎

鼻風邪やアレルギー性鼻炎、副鼻腔炎などが悪化していて耳と鼻をつなぐ管(耳管)が腫れていると耳抜きがしにくい状態となります。こういった状態で飛行機やエレベーターに乗り、急な気圧変化が起きると外気の圧変化に中耳の圧変化がついていけず突然の痛みとともに中耳炎となります。放っておくと滲出性中耳炎などとなり耳閉感(耳詰まり)が長期化することもあり改善まで時間がかかることも多いです。受診をして内服での治療が必要となります。
また、度々繰り返す方には予防的に内服をお勧めしています。

真珠腫性中耳炎(中耳真珠腫)

鼓膜や耳の皮膚の一部が鼓膜の中に入り込み袋状(真珠腫)となりそこに角化物(いわゆる垢)が貯まり大きくなることで、ゆっくりと周りの骨を破壊してゆきます。原因は充分に解明されていませんが、幼少期に急性中耳炎や滲出性中耳炎を繰り返している例が多く見られます。
多くは無症状で経過する為、ある程度大きくなった状態すなわち中耳の骨が破壊された状態で耳だれや難聴で発見されます。
基本的に手術治療が必要となりますが、症状が軽度であったり、高齢者であった場合は感染の予防や処置で経過を見てゆくことがあります。

突発性難聴

聴力検査写真

突然起きる原因不明の難聴を言います。内耳のヘルペスウィルスや循環障害が原因など言われていますが今のところ原因は特定されていません。
症状は突然の難聴となりますが、加えて耳鳴りやめまいが出現します。
まずは、原因のある、騒音性難聴や聴神経腫瘍、滲出性中耳炎などの疾患ではないかを確認することが重要です。また、ストレスや不眠が原因と言われている急性低音障害型感音難聴ではないかを確認することも重要となります。まずは、速やかに受診され診察や聴力検査などと受けられることをお勧めします。
ステロイドや循環改善薬などの内服や高圧酸素療法が治療選択肢となりますが、症状が出てから2週間以上経過してからの初回治療は改善率が不良となると言われています。耳鳴りや難聴の症状が出現した際にはなるべく早期に受診をお勧めします。

急性低音障害型感音難聴

比較的若年の女性に多く、耳詰まり感や耳鳴りなどが症状となります。症状が強くなるとめまいなどを伴うことも多く、今までは突発性難聴と言われるケースも多い疾患です。突発性難聴と比較すると、聴力検査をしてみると低い音(500HZ以下)のみの聴力低下を認めていて、軽度であればよく睡眠を取ることのみで改善します。
耳鳴りや耳詰まり感の症状が数日持続する際には受診し、聴力検査や診察を受けましょう。
ステロイドや利尿薬、循環改善薬の内服で治療をします。内耳のむくみが原因と言われており、約30%程度は再発を繰り返します。めまいを伴うとメニエール病と呼ばれます。体調管理が重要で、時に漢方が処方されます。

加齢性難聴

またの名を老人性難聴と言います。症状は年齢と共に顕著になる聴力の低下です。『音に対する聞く能力の低下』に加えて、『言葉を聞き分ける能力』も低下して行きます。個人差がありますが、60歳程度を過ぎたぐらいから高い音から顕著に聞こえにくくなってゆきます。
最近、聞こえにくくなったなと思われたら受診されて、耳の中に耳垢が詰まっていたり、中耳炎になっていたりしないか確認をして、病気がなければ聴力検査を行います。
基本的には、投薬や手術で改善することは困難ですので、聴力検査や語音聴力検査にて適応があれば補聴器の購入をお勧めいたします。

音響外傷

コンサートや工事現場や工場などの職場にて大きな音にさらされた後に、耳鳴りや聞こえにくさを自覚されます。聴力の低下が重症である場合、めまいを伴う場合があります。なるべく早期に受診され、1週間以内に治療を開始することが重要となります。治療はステロイドや循環改善薬などの内服となります。

騒音性難聴

職場などある程度大きな音の環境下に年単位などの長期間さらされた後に起きる難聴です。4000Hzという比較的高音域から難聴が始まるという特徴があります。そこからさらに高音域に難聴が進行し、最後は全音域となります。耳栓やイヤーマフなどでの耳の防護が重要になります。治療法は無く、補聴器などで生活環境を良くする方法がとられます。

機能性難聴

脳波でも検査上の異常はないのですが、音が聞こえたと感じることができない状態です。逆に自覚症状が何も無いのに学校検診での聴力検査で難聴を指摘されるケースもあります。学童期に多く見られ、学校生活や家庭内でのストレスが原因となっていることが多いです。8〜10才を中心として、女児に多い傾向があります。
原因となる病気がないか検査をした上で、何もなければ環境要因などに気を配りながら経過観察を行います。3年程度の長期に観察すると7割程度が自然に改善することが知られています。

聴神経腫瘍

聞こえにくい、耳鳴りの症状にて受診し、念のためMRIを行うことで稀に発見されることが一般的です。腫瘍自体は聴神経の中の前庭神経(めまいの神経)に出来る良性腫瘍ですが大きくなることで蝸牛神経(聞こえの神経)を圧迫することでめまいよりも難聴の症状が出現します。前述したように難聴などの精密検査のため念のためのMRIで小さい状態で発見されることが多く、大概が変化がないか定期的なMRI検査で経過観察となります。稀に増大傾向が早く、難聴が進行する場合には手術やX線治療(サイバーナイフ)を行います。

耳管狭窄症

耳詰まり感の症状が主となります。耳と鼻をつなぐ管(耳管)は通常、飲み込む動作やあくびで一時的に開き中耳の圧抜き(耳抜き)をしますが、それらの動作でも開かず、圧が抜けないような状況です。鼻の奥に耳管の入り口があるため、そこに金属の管を入れて空気を送り開く処置にて改善することがあります。アレルギーや風邪などの腫れやむくみが原因の場合があるため、その際には内服で治療します。

耳管開放症

耳管狭窄症とは逆に耳と鼻をつなぐ管(耳管)が開きっぱなしの状態です。症状は似ており、耳詰まり感、自分の声が響くというような症状です。急な体重減少などのタイミングで起きることが良く知られています。頭を下げる、横になる、鼻をすすると症状が楽になるというのが特徴的です。
生理食塩水の点鼻や内服などで治療を行います。