花粉症注射製剤について
- 2026年3月4日
- アレルギー
本年も花粉症シーズンがやってまいりました。受診希望のお問い合わせも多くあり、お電話がつながりにくくなっております。また、ご希望に沿った受診対応が困難な場合もあり申し訳ありません。
今シーズンは花粉症に対する注射製剤に対するお問い合わせがとても多くなっております。『注射をやっていますか?』というお問い合わせが多く、具体的にこのお薬という問い合わせが少ない印象です。結論から申し上げますと、当院では花粉症に対する注射での治療は行なっておりません。
『花粉症に対する注射』というと以前から時々問い合わせのあったケナコルトというステロイドの筋肉注射、または先日テレビなどで報じた『ゾレア』というお薬のことなのかと考えます。問い合わせが増えた理由は後者かなと思います。
ステロイドの筋肉注射はかなり以前からやられていた治療です。約1ヶ月程度体内に残存するため注射1本で花粉症ワンシーズン調子よく過ごせたのでまたやってほしいというものです。確かに効果があったご本人からお話を聞くと、とても効果的で人に勧めたくなるのも頷けます。しかしながら、こちらの治療につきまして副作用の観点から厚生労働省より勧めない治療として見解が出ており。耳鼻咽喉科学会も勧めていない治療となっているため当院では行なっていません。
新しい注射剤ゾレアにについてです。花粉症の内服療法は所詮は起きてしまった体のアレルギー反応に対して後追いでその反応を抑制しているイメージの治療です。しかしながら、『ゾレア』は舌下免疫療法治療同様にIgEという免疫蛋白と反応することでアレルギー反応自体を抑制するは働きがあるためとても画期的な治療であることに違いはありません。しかしながら当院で行なっていないのは患者負担が大きい点です。そもそもゾレアの適応は現状では薬物療法でも反応が乏しかった花粉症患者となりますので、いきなり開始することはできず、まず採血検査を行いスギ等の花粉症かの確認が必要となります。さらにここでの検査結果をもとに注射の量やスケジュールが決定されるのですが、基本的に花粉症重症患者となるためその投与量が多いことが予想され、投与量により値段も異なることを踏まえて考えると成人の場合花粉症シーズン中に1ヶ月あたり1.5万円から2.5万円程度のご負担が必要かと考えられる点から現状当院では行なっておりません。
既存の花粉症治療に加わる新たな良い治療ということは確かかと考えています。今後薬価などの状況を見て当院でも取り入れて行きたいと思っております。

